サイバーセキュリティシンポジウム道後2025(SEC道後2025)

開催趣意

 通信インフラの高度化やスマートフォンの普及等に伴い、デジタル技術を活用した多様なサービスは国民生活において不可欠なものとなっています。
 生産性の向上や新たなビジネスチャンスの創出を促す一方で、サプライチェーンの交雑化・グローバル化によって生じた脆弱性を狙った攻撃による被害は増加の一途を辿っており、大手出版社のサービスが機能停止に陥る事例も発生するなど、その脅威は深刻なものとなっています。
 あらゆる組織の事業継続にとってサイバーセキュリティ対策は避けて通れない重要な課題となっています。

 サイバー攻撃による情報漏洩やシステムダウンは、企業の信頼性やブランド価値を損なうだけでなく、経済的な損失をもたらす可能性があります。サイバーセキュリティ対策には一定のコストがかかりますが、その投資が将来的なリスク軽減と経済的損失の回避につながるという理解を踏まえ、コスト対効果を考慮したセキュリティ投資のあり方や、限られたリソースの中で最大限の効果を引き出すための戦略が重要です。

 また、サイバーセキュリティは単なる技術的な問題ではなく、組織全体の文化や意識改革が必要です。ネットワークにつながる一人ひとりがセキュリティ意識を持ち、日常業務においてリスクを認識することが求められます。

 四国では、「サイバーセキュリティシンポジウム道後(SEC道後)」を10年以上前から毎年開催し、全国から専門家や関心の高い方々を幅広くお招きして、サイバーセキュリティの重要性について広く普及・啓発を図るとともに、参加者同士の連携・交流を深める場として、取組を継続してきたところです。
 また、2022年12月に発足した「四国サイバーセキュリティネットワーク」では、産学官の幅広い組織の相互連携を促進し、年間を通したセミナー・演習の実施、情報共有の強化等により、四国地域全体におけるサイバーセキュリティに対する意識の向上や人材育成につながる取組を推進しています。

 今回のSEC道後は、「サイバーセキュリティと事業継続~持続可能な成長に向けた戦略~」をテーマに掲げ、サイバー攻撃が常態化する現代において、組織がどのようにして事業を継続し、持続可能な成長を実現していくかについて、政策動向をはじめ、サイバー攻撃の最新動向や対抗するための技術・手法等について専門家や実務者による多角的な視点からの議論を深め、参加者同士のネットワーキングや意見交換を通じて、新たな知見やアイデアを得る機会となることを期待しています。
 SEC道後が、参加される皆様の情報収集と、皆様が関係する組織の事業継続と持続可能な成長に向けた一助となり、安全・安心なデジタル社会の構築と地域の発展に役立てば幸いです。

2024年11月
サイバーセキュリティシンポジウム道後実行委員会 委員長
愛媛大学大学院 教授 小林 真也



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