推薦のことば
コロナも収まって来ました。今回も道後温泉を楽しみながら、サイバーセキュリティの世界がメタバース・(現実世界×仮想世界)へと広がる中での課題について議論を深めたいと思います。
暗号について言えば、解きつ、解かれつという正反合の軍事外交時代は遠くなり、耐量子コンピュータへ向けての安全性向上、本人確認や400億個にもなると言われているIoTの真正性保証、そして、社会的安全性の確保という矛盾しがちな3つの目標の高度均衡化の社会基盤となりました。
本人確認・真正性保証について言えば、「秘密鍵こそ命、我が命」という状況の中で、公開鍵暗号の秘密鍵の中に、極秘密鍵を埋め込む3階層公開鍵が必要になるようにも思われます。
このように、情報技術による自由の拡大、本人認証・プライバシィ保護、公共的安全性という3理念を三止揚すべく、MELT-Up(Management,Ethics,Law and Technology の4者連携による3理念の高度均衡化)の議論を盛り上げようではありませんか。
サイバーセキュリティシンポジウム道後実行委員会 顧問
中央大学研究開発機構 フェロー・機構教授
一般社団法人セキュアIoTプラットフォーム協議会 理事長
東京工業大学 名誉教授 辻 井 重 男
コロナ禍の3年余りを経て、私たちの働き方や生活は大きな変革を遂げています。時間や場所を選ばない柔軟な働き方を可能にするテレワークの定着をはじめ、キャッシュレス決済やオンライン診療、教育のICT化など日常の様々な分野においてデジタル化が浸透し、それを支えるデジタル技術の飛躍的な進化には目を見張るものがあります。
このようにサイバー空間が私たちの暮らしの一部となる一方、個人情報の流出のみならず、業務停止やサプライチェーンの混乱など、サイバー攻撃による被害は深刻化の一途を辿っています。個人・企業を問わず、誰もが標的になり得ることを肝に銘じ、サイバーセキュリティと真剣に向き合う必要性が高まっています。
本シンポジウムが、サイバーセキュリティの重要性について広く普及啓発を図り、地域のサイバーセキュリティ対策に対する意識の向上につながるとともに、参加者同士の交流を深める機会となることを心より願っております。
サイバーセキュリティシンポジウム道後実行委員会 顧問
慶應義塾大学 名誉教授 土 居 範 久
拡大するランサムウエア感染、金融機関等を騙るフィッシングメールの増加、ウクライナ侵攻で報道されるサイバー戦争などなど、サイバーセキュリティに関係する事件や事故は日常的なものとなってきています。また、電子決済の浸透やテレワークの活用などによりクラウドサービスを利用する人々が増加してサイバー空間と関係なくして社会生活は不可能になってきています。
このような中で、様々な問題が表面化しています。VPN装置などのITシステムに関するものからサプライチェーンやSNSの問題、最近では生成型AIの問題などサイバー空間とリアル空間が安全安心に連結するのかが課題になっています。単なるITシステムの対策だけでなく利用者のリテラシーの向上から社会変革まで多岐にわたる打ち手が必要です。
本シンポジウムはこれらの課題について多方面から講演者を招聘し、多面的に考えることができる場であり、かつ、国内から広く関係者が集い交流を深めることにより新しい気づきや人脈の形成に役立つものだと考えます。ぜひ、本シンポジウムに参加することをお勧めいたします。
サイバーセキュリティシンポジウム道後実行委員会 顧問
NPO法人 日本ネットワークセキュリティ協会 幹事・事務局長
下 村 正 洋